狼には気をつけて 遠藤淑子 白泉社文庫 全2巻についてのあらすじと感想とまとめの記事です。
家賃の支払いに追われお金に困った私立探偵キース・フォレストは新聞広告の荒くれ者募集に釣られ大企業のアーヴィング社の一人娘アレクサンドラに祖母の遺産継承者争いの為ボディーガードで雇われる。
シリアスなストーリーをコメディタッチで楽な気持ちで読ませる作品。
この記事はネタバレありなので閲覧にご注意ください。
狼には気をつけてのあらすじ
私立探偵キース・フォレストはお金に困って大企業のアーヴィング社の求人広告に応募し採用される。その仕事は祖母の莫大な遺産継承者の為他の候補者から身を守る為、アーヴィング社の10歳の一人娘アレクサンドラの護衛だった。
一族の命をかけた継承者レース。フォレスト君の明かされる過去。幼い頃別れたアレクの母親との再会。保護者のようなフォレスト君と子供ながら並外れた頭脳と行動力のアレク。
お互いに目が離せなかったり喧嘩したり仲が良いのか悪いのか微妙な関係だけど…?
アレクとフォレスト君のやりとりが最高!
10歳とは思えない行動と頭脳のアレクにたじたじなフォレスト君だけど、若干頼りなくもぶっきらぼうながら優しいお兄さんのような彼に少しずつ惹かれるアレクが可愛い。
フォレスト君は保護者を一貫していて、アレクの方が素直ではないけどフォレスト君に好意を持ってるのがよく分かります♪
暫くはフォレスト君の方がアレクを守っている感じですが、後半はアレクがフォレスト君の大きな力になって見ごたえありですね!
甘々では決してなくむしろ淡々としているのにどこかじんわり微笑ましいやりとりに注目です。
アレク自身境遇も関係して素直ではない所が強く出ているけど少しずつ素直に優しくなっていく所が様々な事件を通して描かれているのでそこも必見!
特にイチオシのお話を紹介しますね(^o^)
クリスマスに攫ったサンタの違う一面
クリスマスにアレクを攫ったサンタは人の良い動物好きだけど心の弱い男の子。彼は自分に居場所がない事や自分の名前を呼んでくれない事に悩み続けるが、アレクの従兄弟のマークだった。
普段自信家の自慢な性格なマークをアレクは大嫌いだったけど、多重人格な彼が見せた気弱な面にクリスマスだから優しくなれたと素直ではないアレクが可愛い(^O^)
声が突然でなくなったアレクの原因はストレス!?
幼い頃別れた母親との面会がストレスでアレクの声が出なくなった?
声を取り戻す為に受けるカウンセラーや占い師、ハリ治療などが笑える。
カウンセリング時に株価を書く少女…(笑)
針や占い師は胡散臭さに確かに納得。
原因は自分が無理やり母親に会わそうとした為と反省し見送るフォレスト君に自分の気持ちを告げるアレクのシーンが!!こっ恥ずかしいけどお互いに赤くなった2人が可愛い~~!
人の心の弱さ…ほんわかするラストのアレクの夢
殺し屋の顔をうっかり見てしまい命を狙われるアレク。とうとう殺し屋に攫われ殺されそうになる所を危機一髪フォレスト君とボディーガード登場!
殺し屋への言葉、アレクはお父さんへの罪悪感が大きいんだなぁ…。
一瞬でも罪悪感が欲したかもしれない殺し屋についてを通しての人の心の不安定さや弱さへのフォレスト君がアレクに伝える言葉がぶっきらぼうなのに凄く響く…。
ラスト夢の中で真っ暗闇の中明かりが消えてしまったアレクに自分の明かりを分けてあげるフォレスト君。明かりがともり笑顔になる2人。
この夢がすご~く暖かくて大好きです♡
祖母が亡くなった?遺体を引き取りにチベットへ
ええっあの祖母が亡くなった?しかもチベット!?という事でアレクとフォレスト君、チャールズとジムでチベットへ。
高山で石段登りだから凄い体力を使う…ヤクのバター茶ってどんな味なんだろう…下痢は嫌だけど(+_+)
空気が薄い高地でダッシュして息切れで凄い顔になっているフォレスト君に爆笑。
命を狙われる道中だったけど祖母の遺灰を引き取ったアレク。それには遺産狙いのニコルがジムを脅していた…!
それに激怒するアレクは今度こそニコルを警察へ突き出すけど、実は祖母は人違いで生きていました(^O^)
決して好きではなかったはずの祖母が生きていると知って安心するアレク。
今回の事で傷を負ってしまったかどうか心配なフォレスト君にアレクは、彼がいるから大丈夫と伝えます。
狼には気をつけてまとめ
アレクとフォレスト君のへんてこなこの関係がとても微笑ましく羨ましい。少~しずつ信愛+恋愛っぽい感情を抱き始める過程が絶妙ですね。
間に入るギャグ的セリフ回しも笑えるし、主にフォレスト君からアレクへの言葉の一言一言がなんだろう…優しい~ではないのにじんわり来るんですよ。
2人以外にも沢山のキャラが登場し、2人の過去もきっちり描かれてどの話もいいです。
甘い訳ではないけど微笑ましい年の差CP好きな人におススメです!