偽りの美談にまみれた日本 

うんざり
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テレビニュースは完全カット、新聞もほぼ見出ししか読まなくなっても全然問題なしの日々でも介護関係の記事は思わず読んでしまいます。絶対に読後感が悪いと分かっていますが、介護生活の辛い体験をしている人の体験談を読むと、表ではキラキラしている人達ばかりに見えるけど、水面下では沢山の人が理不尽さに苦しんでいるんだよなぁと思えるので。

 

ただ以前は体験談を読んで、自分ももっと頑張らなくては!とか他に私より大変な人がいるんだ!と私なりに前向きに考えていられたんですが…今はそういう素直さは完全に失われましたが(苦笑)

 

先日新聞に載っていた去年の秋に起こった介護殺人についての記事を読んだのですが、親族と周囲の対応が100%胸糞悪かったのでかなり直球で感想を書いていきます。

 

引用元:rihaijによるPixabayからの画像

 

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仕事と介護の両立を22歳で早々に押し付けられ耐え続けた女性

事件の概要はこちらを参考にして下さい。

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

 

女性が2歳の頃に両親が離婚し小学生の時に母親が亡くなり、ただでさえ多感な時に祖父母と同居しますが、無理がきたのかストレスと睡眠薬服薬で精神不安定になり中学の時に医者の勧めもあり叔母と同居します。

 

実の両親とだって上手くいくことが難しいのに、祖父母と言うことは50年位の年の差です。仲が良くてさえ段々と考え方の違いとかが明らかになってくるくらいなので、ストレスがたまって当然でしょう。祖母は自分を引き取ってくれたし夢も応援してくれたから女性も慕っていたようですが、借金ばかり作った母親だったと幼い子供に言うような祖母は個人的にあまり良い印象が持てませんが…。女性の母親も難ありだったのでしょうか。

 

叔母さんと同居してからは睡眠薬も飲まなくなり短大へ無事に進学し、幼稚園教諭も決まったからようやく展望が開けました。なのにこれからと言う時に祖母が要介護4になり、介護を誰がやるかで徒歩5分以内に女性の父親、叔父と叔母が住んでいるのにも関わらず、それぞれの言い分を主張して拒否し、学費の恩と言う逃れようのない言葉に押されて女性は介護しながらの同居生活となってしまいます。

 

22歳で社会人なりたての年齢で、今までも複雑な家庭環境の中四苦八苦しながらもようやく得られた道の最初で、天国から地獄へ突き落されてしまった様なものですよ。

 

子供が必ず親を介護するべきとは私も思いませんが、少なくとも別の人(孫)に任せた分介護負担代わりのお金か、祖母と女性のサポートを少しでも見るのが筋でしょう。けれどもおむつ代さえも女性負担でほぼ全て負担させていたようです。

 

就任したばかりの仕事と要介護4の祖母の介護の両立なんてベテランでも苦労するはずで、介護の技術だけではなく精神疲労は相当なものだったと思います。

 

2週間後に限界を感じ相談しても周囲に拒絶され5か月も続けた末での事件…。正直よく耐えましたよとしか言いようがありません。1日2時間しか睡眠時間が取れない中、当然食事も安心する時間も取れないでしょう。いつも祖母を意識することになるので、せめてもう少し見る時間が少ないか、もう1人か2人位見ていてもらわないと、常に緊張感の生活を続けるなんか無理ですよ。

 

 

面倒事を押し付けやすい孫に押し付けた挙句にあっさり切り捨てる親族

限界だった女性は事件前に親族に相談しています。でも非情な親族で特に叔母と父親が酷いです。介護を孫に押し付けたのに悩みを相談した女性に、その位出来るだろと突き放す叔母。じゃぁお前がやれよって感じですよ(怒)。ケアマネとの直接連絡も禁止され、完全に女性任せにした挙句に入院さえも拒否されてしまいます。

 

判決後の女性には父親(と叔母)は刑務所に入れるべき、今後一切連絡をする気はない、女性への愛情はないと答えたらしいですが。…これ本当に本当のことですか?(新聞も当てにならないので)脚色も何もなく事実なら、鬼より鬼のような親族です。

 

介護を押し付けてしまった謝罪とか、これからの支えとか何もなしで酷すぎます。ここまでくると、女性が祖母を手にかけるのを望んでいたのようにも穿ってしまいます。女性が拒否したら今度こそ自分たちが介護担当ですからね。そこまで思わせてしまうような親族ですよ。同居中叔母は自分の子供の面倒を中高生の女性に見させていた事もあるようだし、今迄の介護記事の中でもかなり悪質な親族です。

 

きっと女性は無理難題を押し付けやすい相手だったんでしょう。学校でも家でも社会でも、結局は優しい責任感がある人が狂人に押し付けられて潰されていくんですよね。

 

 

友人も職場も何も頼れないなら自分を最優先にして逃げた方が余程マシ

前にも書きましたが明らかに加害者に同情する事件もある中で、介護殺人は正直ほぼ無罪でもいい位と思っています。それだけ介護と言うのは別名犠牲なんですよ。高齢者謳歌の日本では美談に(無理やり)していますが、ヤングケアラーも在宅介護も介護職も国が個人負担に押し付けて長年直視してこなかった大罪です。

 

高齢者優遇国日本についての記事はこちらです。

高齢者謳歌の国日本 
今更ですが安倍首相が先月28日に体調不良での辞任を聞いた時、ふ~ん、また体調不良で辞めるの?としか思いませんでした。体調不良の人を労わるのは当たり前ですが私は大嫌いな人の体調不良まで慮るほど出来た性格ではないので。

 

日本をめちゃくちゃにしたことに対して謝りもせず平気な高齢者が多すぎる
年齢による格差が広がっていると思いませんか?年齢による格差は出来ればない方が良いに決まっていますがそれに反して年々強まっている気がします。 それもそうでしょう。年齢による待遇の差があまりにありすぎるからです。 私も多くの高齢者に優しい目で見...

 

女性は何も悪いことをしていないじゃないですか。両親が離婚したのも関係ないし、祖母が引き取ってくれたのは確かに感謝することかもしれないけど、その対価が有無を言わさずの介護では明らかに恩を盾にした脅迫です。

 

ましてや裁判長が女性に言った「社会で更生」の言葉にはまるで納得がいきません。自分自身が限界の末の殺人で、女性も被害者なのに。更生をするべきは明らかに親族の方なのに親族は無罪放免ですからね。つくづく日本ははっきりした加害者には優しいのに、明らかに加害者に同情の余地が多い加害者には冷たいと言う腐った国と痛感します。

 

友人には弱音を吐かず、職場では怒られた上に信じてもらえずで女性は本当に一人きりになってしまいました。介護と両立と言う無理な環境では仕事に無理が出るに決まっています。その為に失敗とかが起こってしまい注意されたのでしょうが…。上司に訴えても職場なんてこんなものです。働き方改革~とか労働者に権利を~とかパワハラを失くそう~とか言っても、実態は圧倒的に職場>労働者で、労働者のことなんか使い捨ての駒にしか思っていません。

 

介護なんか冗談じゃない!と絶縁してでも逃げた方が遥かに良かったのでしょうが、きっと女性にはもしその方法を勧められたとしても責任感や罪悪感で出来なかったでしょうね。高齢者王国の日本では高齢者介護が美談と仕立て上げられているので、被介護者を見放した時点で問答無用で罪人扱いですから。

ヤングケアラーの記事の反応。傲慢な高齢者が多すぎる
ヤングケアラーはその名のとおり若い(18歳未満の)介護者のことで(早いと小学生からの場合もあり)、被介護者は親や祖父母の場合が多いです。体験談が新聞に数日掲載されていてあまりの過酷な内容によく介護者は狂わなかったな、被介護者を恨んでもおかし...

 

それでももう限界と思ったら自分が悪者扱いされることを覚悟してでも全てを捨てでも、自分を最優先にして逃げた方が余程マシだと思わざるを得ません。逃げると言うと問答無用で叩かれますが脱出の意味を持つ自分の身を守る為の立派な手段の一つだと思います。まぁ相手の気持ちを考えずに自分の意見に酔って叩くようなタイプこそ自分が同じ立場になったら即弱音を吐きますけどね。

 

 

まとめ

私は介護の経験はしていませんが、高齢者との同居が介護なしでも負担が大きいのは身に染みています。私が弁護人だったら全力で女性を無罪にしてあげたいです。あまりに酷すぎますから。どうあっても殺人は殺人となってしまったので、判決後は就職先も困難になりようやくパート職に就けても服も満足に買えない現状の女性。

 

一体この狂った状況は何なんですかね。素直に真面目に大変なことをし続けた方が生涯辛い思いをして、要領よく押し付けた方がのうのうとしている…。介護に限らず表向き薄っぺらい美談で現実を直視していない日本の現状なんでしょうね。ヤングケアラーについての記事もありましたが本文を読む気力なく、行政への諦めと言う見出しだけ見ましたが、それが現実なんだろうなと。

 

国は口では相談を~とか言っていますが、なんだかんだ言っても結局は本人任せで親身になってくれない、あるいは制約があるか高額か複雑な手続きか…。効果が不確かな行政機関なんて利用する気力など今辛い思いをしている人には到底ありませんよ。

 

被介護者の味方の筈のNPOとかも、悪いけど20年以上も前から高齢社会と騒がれていたのに何か進展したことがあるんでしょうか?結局他人事でただのパフォーマンスなんじゃないのとも思ってしまいます。ましてや国の被介護者の実態調査をするって…今頃ですか?どれだけ国は竜宮城並に時の流れが緩やかなんでしょうか。おまけにデータを取ってもどうせうまく活用分析なんかできずただのパフォーマンスなんでしょうね、何せ高齢者優遇の政権ですから。

 

国や親族にはほぼ期待が出来ないとなると、介護に限界を感じたら施設入居とか出来ないなら、どんなに反対されたり非人道的とバッシングされたりしても、拒否するか逃げるしかないんじゃないかと。法的には金銭的にも心情的にも余裕がない子は親を介護する義務は今のところありません。ただ同居している場合は拒否が難しいと思います。

 

長寿万歳と言う言葉を聞く度に、老害を見る度にもふざけんな!と蹴飛ばしてやりたくなります。今回の事件のように90歳のようにもう十分生きたでしょうと言う年齢の高齢者にまだこれからの20代とかの若手が潰されるケースは本当やるせないです。

 

正直80代、90代とかでまだまだ生きるとか息巻いている人たちを見るとあまりに生欲が強すぎて、死生観は人それぞれだけど生欲低い私には到底理解できません。別世界の人間としか思えないですよ。高齢者以外の世代には搾取するだけ、家族信仰をごり押しする日本には絶望と失望しかありません。

 

うんざり世の中
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